原料の植物油を変更しました!

原料の植物油を変更しました!

「2023年は過去2000年で最も暑い夏だった」とドイツの研究チームがネイチャーに発表しましたが、ミレイネでも昨夏は「以前は大丈夫だったから」という理由で「大丈夫」とは思えず、様々な対策をして来ました。その1つが、原料の植物油を菜種油からごま油に変更したことです。
 
クッキーが傷む要因の第一は油の酸化です。植物油のような不飽和脂肪酸は「血中コレステロールを減らす」という健康効果がある反面、二重結合の隣のメチン基がフリーラジカルになり、空気中の酸素により攻撃され酸化し易い、という性質があります。
ごま油には,抗酸化物質のセサミンやセサモール などのリグナンフェノール系化合物が含まれていることで健康増進機能があり、生体の老化防止をはじめとする種々の効能をもっていますが、これには植物油自体の酸化も抑制する効果がありました。

 

① 植物油に付加した酸素分の重量が増加するので 重量の増加は酸化を知る一つの目安となるが

 

”ゴマ油は0~2ヶ月の間,全く重量増加が見られず,むしろ最初の1ヶ月間は重量減少の状態が続いた。” 

菓子の製造・取り扱いに関する指導で(昭和52年環食第248号),過酸化物価が30を超えてはならないとあることなどから,過酸化物価30は,酸化に対する安全性のボーダラインと考えられるが
 
”ゴマ油は、実験開始から8週間目まで0に近く,過酸化物の生成が全くみられなかった。その結果は,(先ほどの)油の重量増加率が0であることと符合する。”

 

というわけで、ごま油が非常に安定性の良い油であると実証されたため、ミレイネのお菓子の原料の植物油は、すべて「菜種油」から「ごま油」に変更いたしました。

味や風味への影響はありません。

最後に、油脂が酸化しにくい保存方法について引用します。 (実験は植物油ですがクッキーも同じです)

”少なくとも室温,出来ればそれ以下の低温度で,日光照射の無い暗所が,油脂の酸化反応を起こさせない条件である”

 

原本は以下から読めます↓
富山大学人間発達科学部 加藤 征江 グループ
植物油の劣化に及ぼす保存条件の影響 | CiNii Research

 

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